STRTOL(3) | Linux Programmer's Manual | STRTOL(3) |
名前¶
strtol, strtoll, strtoq - 文字列を long int に変換する
書式¶
#include <stdlib.h> long int strtol(const char *nptr, char **endptr, int base); long long int strtoll(const char *nptr, char **endptr, int base);
glibc
向けの機能検査マクロの要件
(feature_test_macros(7) 参照):
strtoll(): XOPEN_SOURCE >= 600 || _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _ISOC99_SOURCE; or cc -std=c99
説明¶
strtol() 関数は、 nptr の文字列の最初の部分を、 base を基数として long int に変換する。 この base は 2 から 36 までの値 あるいは特別な意味を持つ値 0 でなければならない。
文字列の先頭には、任意の数の空白があってもよく (空白は isspace(3) で判定される)、また数字の直前には '+' か '-' の 符号があってもよい。 base が 0 または 16 の場合には、文字列の先頭に "0x" を置くことが でき、その場合には文字列は 16進数として扱われる。 これ以外の文字列で base が 0 の場合は、 文字列が '0' で始まるときは 8進数として、 それ以外のときは 10進数として扱われる。
数字を表す文字列は long int に変換されるが、基数に対して 有効でない数字が現れた時点で変換は終了する。(11進数以上では 'A' は 大文字・小文字に関わらず 10 を表し、 'B' は 11 を表現し、 以下同様に、 'Z' は 35 を表す。)
endptr がヌル値 (NULL) でない場合は、最初に現れた不正な文字が strtol() によって *endptr に保存されている。 文字列に有効な数字がひとつもなければ、 strtol() は nptr の元の値を *endptr に代入する (そして 0 を返す)。 特に、*nptr が '\0' 以外で、返された **endptr が '\0' ならば、文字列全体が有効だったことになる。
strtoll() 関数は strtol() と同様だが、long long int 型の値を返す。
返り値¶
アンダーフローもオーバーフローも起きなかった場合、 strtol() 関数は 変換された値を返す。オーバーフローした場合には LONG_MAX が返り、 アンダーフローした場合には LONG_MIN が返る。オーバーフロー、 アンダーフローのいずれの場合にも 大域変数 errno には ERANGE が設定される。 strtoll() も同様であるが、 LONG_MIN と LONG_MAX の代わりに LLONG_MIN と LLONG_MAX が返される。
エラー¶
実装によっては、変換が行われなかった場合 (数字がなく、0 を返した場合)、 errno に EINVAL が設定される場合がある。
準拠¶
strtol() は SVr4, 4.3BSD, C89, C99 と POSIX.1-2001 に準拠している。 strtoll() は C99 と POSIX.1-2001 に準拠している。
注意¶
strtol () からは成功、失敗どちらの場合でも 0, LONG_MAX, LONG_MIN (strtoll() では LLONG_MAX, LLONG_MIN) が返る可能性があるので、 プログラムは関数を呼び出す前に errno を 0 に設定し、呼び出し後に errno が 0 以外の値かどうかを確認しエラーが発生したかどうかを判断する 必要がある。
"C" 以外のロケールの場合、その他の文字列も受け付けられるかもしれない。 (例えば、現在のロケールの 1000 毎の区切り文字がサポートされているかもしれない。)
BSD には、
quad_t strtoq(const char *nptr, char **endptr, int base);という完全に同様の定義を持つ関数がある。 使用中のアーキテクチャのワード長次第であるが、この関数は strtoll() か strtol() と等価となることもある。
例¶
以下のプログラムは
strtol()
の使用例である。
最初のコマンドライン引き数には
strtol()
が数字として解釈する文字列を指定する。
(省略可能な)
二番目の引き数には
変換に使用される基数を指定する
(この引き数は atoi(3)
を使って数値に変換される。
atoi(3) は strtol()
よりも簡単なインタフェースを持つ関数で、
その中ではエラーチェックは行われない)。
このプログラムの実行例をいくつか以下に示す:
$ ./a.out 123 strtol() returned 123 $ ./a.out ' 123' strtol() returned 123 $ ./a.out 123abc strtol() returned 123 Further characters after number: abc $ ./a.out 123abc 55 strtol: Invalid argument $ ./a.out '' No digits were found $ ./a.out 4000000000 strtol: Numerical result out of range
プログラムのソース¶
#include <stdlib.h> #include <limits.h> #include <stdio.h> #include <errno.h> int main(int argc, char *argv[]) {
int base;
char *endptr, *str;
long val;
if (argc < 2) {
fprintf(stderr, "Usage: %s str [base]\n", argv[0]);
exit(EXIT_FAILURE);
}
str = argv[1];
base = (argc > 2) ? atoi(argv[2]) : 10;
errno = 0; /* To distinguish success/failure after call */
val = strtol(str, &endptr, base);
/* Check for various possible errors */
if ((errno == ERANGE && (val == LONG_MAX || val == LONG_MIN))
|| (errno != 0 && val == 0)) {
perror("strtol");
exit(EXIT_FAILURE);
}
if (endptr == str) {
fprintf(stderr, "No digits were found\n");
exit(EXIT_FAILURE);
}
/* If we got here, strtol() successfully parsed a number */
printf("strtol() returned %ld\n", val);
if (*endptr != '\0') /* Not necessarily an error... */
printf("Further characters after number: %s\n", endptr);
exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目¶
2007-07-26 | GNU |